専攻・コース

インタビュー(研究科)

本研究科で学び、さまざまな目的に向かって新しい可能性を切り開きつつある在学生を紹介します

私の研究者としての原点

大学時代の私にとって、日本は経済や科学技術におけるアジアのリーダー的存在として魅力的で、それが留学のきっかけとなりました。中国で学部を卒業して猛勉強の末、青山学院大学大学院に進学しました。オープンキャンパスで一流の教授陣や国際的な学習環境を実感したからです。
国際政治経済学研究科修士課程では、充実した学業生活を送りました。経済学の基礎を固めるとともに、指導教官のもとで国際金融や計量経済の学びを深め、更にゼミ(演習)では研究の意味合いを学術論文の精読・執筆やプレゼンテーションを通して理解することができました。また、同じゼミ生で後にアメリカのPh.D.コースに進んだ同期生と机を並べたことも、よい刺激になりました。こうした青学での濃密な二年間の学びが、私に研究者の道を開いてくれたのだと思います。修士課程修了後はアジア太平洋地域の直接投資と経済統合への研究関心が高まり、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の博士課程に進学しました。2017年3月に博士課程修了、博士号を取得し、私は母国の中国で西安交通大学の経済金融学部の教員になりました。

国際経済学専攻 修士課程
2013年3月修了
西安交通大学、経済金融学部、専任講師
李 石 さん

学生時代を振り返れば、やはり青学での学びが研究者の道を歩んでいる私の原点です。もし最初に青学で専門知識や科学的な考察・分析手法を習得しなかったら、私は研究者の道を進んではいけなかったでしょうし、全く違う分野の仕事に就くことになったと思うのです。留学中に日本で出会った先生方の学問に対する真剣さ、学生に対する優しさは、私の人生と学問への姿勢に大いに影響を与えています。これまでの貴重な経験と大切な出会いに感謝しつつ、優秀な研究者を目指して頑張っていきたいと思います。

大切な問いを探す場所

大学院には留学生や社会人経験の長い方が多く、進学の背景は様々です。私の場合は20年ほど民間企業で人事業務に従事しグローバルな職場環境でのチームワーク作りに苦労する中で異文化コミュニケーショントレーニングの存在を知り、そのファシリテータになるために学術的な知識を集中的に学びたいというのが出願の動機でした。
入学してから自分の根本的な思い違いに気付きました。2年間で修士論文を書き上げるには最初からスタートダッシュが必要で、悠長に知識を吸収している時間はありません。論文の形態は長年親しんできたビジネスレポートの作り方とは全く異質なもので、自転車を後ろ向きに漕ぐような難しさです。また研究テーマは一人ひとり異なるため、文献探しや分析は孤独な作業となります。しかし慣れない方法を取り入れようと努力し続けること自体が自分のcomfort zoneから抜け出す素晴らしい鍛錬となりました。様々な種類の方法論の授業は論文の作り方を検討するのに役立ち、また2週間に一度のゼミでは準備した内容に対して指導教官が惜しみなく鋭い指導を入れてくださいました。苦しい時にはキャンパスの銀杏並木のベンチで幅広い年代のクラスメイトと励まし合いました。

国際コミュニケーション専攻 修士課程
2017年9 月修了
異文化コミュニケーショントレーナー
阿部路子さん

 大学院で何より嬉しかったのは、「良い問いを見出すこと」に大きな価値が置かれている点です。私の世代では学校といえば提示された問題を解く訓練が中心でなかなかやる気が起きなかったものですが、ようやく自分で問題を探せる学びの場に来られた、と思いました。関心を寄せる社会の現象を見つめ、切り取り、議論を積み重ねる力などここで培った筋力は、今後の仕事で活用することでさらに鍛えていきたいと考えています。