SIPECジャーナル

【夏合宿in広島】 8月24日取材レポート

2017.10.06
ジャーナリズム

こんにちは!夏休みが終わり、後期の授業が始まってから早2週間。皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は、私が参加した2017年度ジャーナリズム指導室夏合宿のお話をしたいと思います。毎週の活動に加え、長期休みになるとテーマを決めて合宿を行う指導室。今年の夏は広島へ平和学習に行ってきました!

8月23日〜26日の間、資料館や広島県庁へ訪れ、原爆や核軍縮のお話を聞き、その後平和記念公園周辺でアポなし取材。1人で見知らぬ人に話しかけるのは少し緊張しましたが、最終的に5人取材する事ができました!

私は、海外の人から見るHiroshimaに興味があったので、外国人観光客を中心に英語でお話をききました。その中でも個人的にとても印象に残っているKenさん(62歳)との会話を今回ここで取り上げたいと思います。







私:「初めまして!東京の大学でジャーナリズムを学んでいる竹内と申します。広島での旅行や、原爆の事について少しお話を聞きたいのですがよろしいでしょうか?」

Ken:「もちろん!初めまして、Kenです。僕はカリフォルニア州出身で、昨晩関西国際空港に着いたばかりなんだ。時差のせいで今日は朝の4時起きだよ。少し眠くて腰掛けていたところだ。どうぞなんでも聞いて」

私:「疲れているところすみません。ありがとうございます。今回は、どうして広島の平和記念公園に来ていたのですか?」

Ken:「広島には大学時代の友人に会いにきたんだ。日本に住んでいて、これから市内を案内してもらうところだよ。ただせっかく広島に来たし、平和記念公園にも行っておかないとなあと思って今この辺を歩いていたんだ。」

私:「もう資料館などは行かれましたか?」

Ken:「ついさっき見てきたよ。学生の頃、歴史の授業で第二次世界大戦について学んだ事があるけれど、実際見るとやっぱり違うね。被爆した人の衣服や1人1人のエピソードが書かれたパネルの展示は心が痛んだよ。」

私:「資料館にある展示物は、見ていて本当に苦しいですよね。原爆投下は日本にとってとても悲惨な出来事でしたが、それでもやはり、『原爆投下は正しかった』と言う人が今でも多くいます。Kenさんはどう思いますか?」

Ken:「そうだね。難しいけれど、戦争を終わらせる方法は、必ず他にもあったはずだと思うよ」

私:「そうですか。ここ、広島に来る前と後で、日本のイメージって何か変わりましたか?」

Ken:「私自身は来る前も、実際今いるこの時も、日本のイメージは変わらず良いよ!ただ、戦争相手国ということもあり、私の両親世代は良くは思ってないかな。あなた(私)のおじいさん、おばあさんと同じようにね」

私:「日本のイメージが変わらず良いのは嬉しいです!ちなみに今回が初めての日本旅行ですか?」

Ken:「そうだよ!広島には3日間滞在する予定でその後は京都、東京、北海道を観光するんだ。これから先がすごく楽しみだよ」

私:「沢山の県を訪れるんですね。どこも素敵な土地なので是非楽しんでいって下さい。取材のご協力ありがとうございました!」

Ken:「こちらこそ。ジャーナリズムの勉強頑張ってね!」







20分ほどの会話の中で私が一番印象に残ったのが、「原爆投下は正しかったか」の質問に対する彼の答えです。

「戦争を終わらせる方法は、必ず他にもあったはず」

英語では"There must have been another way to end the war. "と言っていました。「正しかった」とも「間違っていた」とも言わず、「他にも方法があった」と答えたこと、間違っていたと決して言わないのが、個人的に印象深かったです。

私は高校時代アメリカに住んでいたのですが、当時歴史の授業で「第二次世界大戦中、原爆を日本に投下した事で戦争は早く終わり、多くのアメリカ人が死なずにすんだ」と学びました。だからこそ、Kenさんのどちらとも言わない立場に多少の驚きがあり印象深かったのだと思います。

とてもセンシティブなトピックかつ、内容だったので、言葉の言い回しを慎重に選ばなくてはならない大変な取材でした。答える側もきっと簡単ではなかったと思うので、Kenさんにはとても感謝しています。

Kenさん、ご協力ありがとうございました!

それでは、次回の合宿報告記事をお楽しみに!

(取材・執筆 竹内友子)