学部の特徴

少人数ゼミナール教育

「知」を集め活用する力を培う

単に知識を得るだけでなく、自ら課題を発見し、仲間と共有しながら学問的に解決していく能動的な学びを重要視しています。その軸が、1年次の入門セミナーから3・4年次の演習へと続くゼミ。3・4年次の演習は一学生あたり平均6名と少人数です。

国際政治経済学部の専門教育は、3年次・4年次の2年間のゼミナール教育を中心に本格的に行われます。大学の授業方法には、基本的に講義形式と演習形式の2つの方法があり、演習形式の授業では各教員の提示する研究テーマの中から興味のあるものを学生が選択し、その研究テーマについて学生が自主的に学習し、その成果を報告します。この授業は主に質疑応答によって進められ、通常"ゼミナール"と呼ばれます。

国際政治経済学部のゼミナールは、学際的教育をモットーとしていますので、入学した学科教員のゼミナールに限定されることなく、多彩な研究テーマから自分の関心のあるゼミナールを自由に選択できるシステムとなっています。各ゼミナールの募集定員は、1学年およそ8~10名という少人数構成で、全員がゼミナールに所属することが可能です。国際政治経済学部のゼミナールは、2年間の継続履修を原則としており、卒業時に論文や研究報告という形で成果をまとめます。

陳ゼミ風景
陳ゼミのメンバー
ディスカッションしたり、お互いを高め合う存在。

1から4年次へと続く少人数ゼミ

1年次/入門セミナー
専門分野への導入と学習の方法やスキルの獲得

本学部で学ぶ専門分野について、様々な角度から触れることによって、その概要を把握します。
また、資料文献の読み方、レポートの書き方、プレゼンテーションやディスカッションの方法など、大学生として必要なスキルを演習形式の能動的な学習によって身につけます。

HIROSE'S Voice

基礎を習得したうえで、専門知識を広げ、深める

国際経済学科
国際ビジネスコース 4年
廣瀬 早希 さん……HIROSE, Saki

学生のリテラシーとなるレポートやプレゼンテーションの手法を学べるのが前期の入門セミナー。クラスメイトとチームを組んでディスカッションを重ね、プレゼンテーションまで行うスタイルなので実践的な経験を培うことができます。後期は経済分野でのさまざまな専門家による講義を受け、知識の幅が広がりました。

2年次/プリゼミ
専門知識の修得 論理的思考力・表現力の獲得

専門的な学びへの導入期間。少人数制のクラスで、1年次に関心をもった分野の教員と密に接しながら、専門知識を築きます。研究・プレゼンテーション・ディスカッションなどを通して論理的思考力・表現力を培い、専門的な研究へつなげていきます。

国際経済学科 教授 加治佐 敬

ゼミ方式の授業で重要なことは、書かれていることや議論の理解だけでなく、それを批判的に検討しさらには建設的なコメントを出すことです。この授業では、課題図書の主張を上記の視点で検討・コメントする訓練をします。 今年度は、下川哲『食べる経済学』と神門善久『さよならニッポン農業』を読みます。前者は、食を通して世界経済、貧困、健康問題を考えます。後者は、農業を通して日本の将来を考えます。

プリゼミ履修者の声

「プリゼミで学んだ科学的アプローチの手法は、今も自分の基礎力として役立っています。」
「プリゼミでは、わからないことをみんなで一緒に考え、意見交換をすることで、自分にはない視点や考え方に気づき、とても刺激を受けました。」

3・4年次/演習(ゼミ)
課題解決力の育成 専門知識と思考力・表現力を結びつける

学科にこだわることなく個々の学習目標に合わせ自由にゼミ選択が可能です。平均6名の少人数クラスにより、研究発表や討論中心の授業が展開されます。
専門分野を深める過程で、幅広い視野の獲得、論理的思考力、表現力を身につけ、課題解決能力を養うと同時に、将来の方向性を見いだしていきます。また、卒業に向けて、研究テーマを深化させ、演習論文にまとめます。

中国の社会と文化

中国を含む中華圏の社会と文化の諸現象を関連づけて理解し、課題発見・問題解決の能力を養うことを目標とする

国際コミュニケーション学科
教授
陳 継東 さん

変貌する現代中国の社会と文化を幅広く眺め、総合的で現実に即した理解の形成を目指します。中国に関する知見に立脚して日本や世界を見ることが可能になれば、日本や世界についての新たな可能性も見えてくるでしょう。テーマの範囲は中国の文化、社会、思想、宗教、言語などで、台湾や香港など中国語圏の社会と文化をも視野に入れています。基礎知識と研究方法を身につけた上で、文献資料の講読や映像資料の視聴、さらに現地見学などを行い、個人発表やグループワークを通じて研究成果を積み重ね、最終的に卒論を仕上げます。

<ゼミテーマ例>

国際政治部門

  • 日米による防衛協定の歴史と現在
  • 民主主義国家は権威主義国家に倣うべきなのか―新型コロナウィルスの各国政府の対応を比較して
  • アメリカとLGBTQ―アメリカはLGBTQフレンドリーな国といえるのか
  • Does Accepting More Immigrants Lead to Economic Growth?
  • Democratic Consolidation in Japan

国際経済部門

  • 箱根駅伝の経済効果分析
  • Way to Healthy Society: Problems and Possible Reforms to Make National Health Insurance Sustainable
  • フェアトレードのからくり
  • オリンピック開催に伴う経済効果
  • 恋愛とスポーツ

国際コミュニケーション部門

  • 在留ベトナム人留学生の対日本人社会的距離・逆社会的距離に関する研究 ―インタビュー調査を通じて―
  • Cultural Differences in the Conflict Resolution Strategies of Japanese Couple and that of International Married Couples
  • 映画にみる日本語の性差の変遷
  • アニメ視聴度による思いやり傾向の比較と遠慮察しコミュニケーションの関連性について
  • 若者世代が担うこれからの日中関係の展望 —雑誌「知日」を通して―

国際マネジメント部門

  • 企画経営と価値創造

少人数ゼミ体験レポート

多様な考え方に触れ、視野を世界に広げられる環境

国際経済学科
国際ビジネスコース 4年
廣瀬 早希 さん……HIROSE, Saki

私日本国内に留まらず、よりグローバルな視点を持ちたかったことから国際政治経済学部へ進学しました。現在は、中国社会や文化を専門とする陳継東先生のゼミに所属し、「中国経済と不動産」というテーマで卒業論文制作を進めています。中国と日本との相違点・共通点を知る体験を通じて、その先にある世界各国との比較にも知見が及び、視野を広げられたのは大きな学びでした。1年時に入門セミナーの初回で「大学に在籍(進学)することに意味はあるのか?」というテーマのレポートを書いたことは、今でも印象深い思い出です。当時は、自分の書きたいように書いていましたが、今なら読み手のことを考えつつ、その意義を自分の言葉で自信をもって伝えられます。