SIPECジャーナル

留学生活のはじまり

2017.09.20
ジャーナリズム

大学生になって、初めて青山学院大学の並木道をくぐったあの日。

自然と足取りも軽くなった、わくわくした気持ちを思い出す、と今年の8月初旬からアメリカ、インディアナ州のデポー大学(DePauw University)で留学生活を開始した、国際政治経済学部国際政治学科3年の長井咲樹さん(20)は笑う。アメリカに降り立ってから一か月ほど。まだまだ不安で心細いが、これからの留学生活に思いを馳せる。

長井さんが留学を志した理由には、高校時代にイギリスに短期留学した際の経験が欠かせない。そこでの出会いは、自分の価値観がいかに凝り固まったものであるのか、そして自分と他国籍の友人との間に存在する凄まじいギャップを認識するきっかけになったという。また、自分と全く違う考え方、価値観を持った人の中で、自分が思っていることを伝えられた時の感動が、交換留学するにあたり必須になるIELTS取得のモチベーションを支えたと語った。

 IELTSの勉強を経て、一番伸びたのはリスニングであったという長井さんに、その勉強法を聞いた。

「同じ英文を何度も何度も聞く。はじめはゆっくりしたスピードで、文章自体も目で覚えながら慣れてきたら口で言いながら続け、それを徐々に早くしながら、とにかく繰り返し聞きます。最終的には、口に出しながら同じ英文を聞いていました。」

この勉強法を二か月ほど続け、そのあとに受けたIELTS。リスニングが他のスコアを引っ張り上げ、この留学をかなえた。

「もちろん留学が決まった時はうれしかった。」

でも本当はそのあとが肝心だったんです、と長井さんはつづける。

「留学が決まってからは、もともと通っていた英会話の塾に通う以外は、特に勉強していなかったんです。念願だった留学ができることになって、安心してしまっていて。今、留学が始まって、その時間がいかに重要だったかを痛感しています。その時間でこつこつと勉強していれば、もっとスムーズに留学のスタートがきれたのかも、なんて。これから留学する人は、TOEFLやIELTSのスコアだけにとらわれず、こつこつ勉強してほしい。」

会話についていけなかったり、教授の言っていることが聞き取れなかったり。わからないことを笑顔で流してしまうこともある。月日を重ねても、このままだったらどうしよう、と不安もあるという。

でも、留学生活はまだ始まったばかりだ。時々「もっと勉強しておけばよかった!」なんて後悔がよぎることはあっても、彼女は前を向いている。

「毎日が刺激的です。友達もどんどんできるし、教授も魅力的。授業の課題は山積みですが(笑)」

これから10か月、勉強だけではなく課外活動にも積極的に参加したいという。まずは、青山学院でも所属していたオーケストラの門戸をたたくつもりだ。

「オーディションの曲が難しすぎる。」なんて口にしながらも、彼女はあきらめない。

同じ時間を過ごせなくとも、13時間先の未来から彼女を応援したい。

(文責:ジャーナリズム指導室 鎌田優)