SIPECジャーナル

国際コミュニケーション学科 創立10周年迎える

2017.07.15
ジャーナリズム

わたしたち国際政治経済学部の国際コミュニケーション学科が創立10周年を迎えました。これを記念して6月3日にはイベントが開催され、多くの参加者が国際コミュニケーションの重要性について考えさせられました。

実は、国際コミュニケーション学科は、国際政治経済学部が創立された当初から存在していたわけではありません。当初、三年生から選択できるコースの一つではありましたが、学科として認められていませんでした。しかし、国際コミュニケーションの重要性を訴えた教授の皆さんの強い気持ちが実を結び、2006年に「国際コミュニケーション学科」としてスタートしました。他の学部・学科と比べると、創立10周年は決して長くありません。しかし、そこまでの道のりは決して平たんではなかったのでしょう。

 6月3日。本学の向かいに建つ国連大学でファーマーズマーケットが開かれる中、青山学院大学総研ビル12階大会議室では、本学部の国際コミュニケーション学科の創立10周年を記念するイベントが開かれました。テーマは「国際コミュニケーションの学びと実践」。イベントは二部に分かれており、一部では国際コミュニケーションが世界で担う役割やその重要性についての講演、二部では実際に同学科のOB・OGが大学のまなびから職場で実践していることを、参加者の質問に答える形で進められました。また、イベントの後には講演者とイベントに訪れた参加者の間で懇親会が開かれ、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。

一部は、本学名誉教授の本名先生による基調講演でした。本名先生は、コミュニケーションを巡る大きな議論の一つとして、人のコミュニケーションに二つのタイプがあることを指摘。人同士が話をする場合、要点を先に言う「Main First」と話の大枠を先に説明する「Frame First」が存在するそうです。かつてイギリス統治下にあった香港の刑務所内でのイギリス人所長と中国人巡査の会話記録を例に挙げ、この二人の会話が成立していない理由について、人種により話の進め方が異なるためだと指摘します。このようなコミュニケーション上の課題の解決のためには、「Diversity Management」が欠かせないと締めくくりました。

二部では、国際コミュニケーション学科OB・OGの方をお招きし、大手メーカー、言語聴覚士、テレビキャスター、ホテル業、JICAの現職員など、コミュニケーションと密接にかかわる業種の最前線で活躍する先輩の話を聞きました。どの方にも共通していたのは、在学当時に学んだ知識や体験を上手く実際のビジネスシーンで活用していたこと。在学生へ向けて、現在の職業に就いた動機や就活のアドバイスも頂きました。

二部の後、国際コミュニケーション学科教授の狩野先生にイベントの総括をしていただいた後、4時間にわたるイベントが終了しました。その後は茶話会が催され、イベントに訪れた参加者が教授の方や本学部OB・OGの方と自由に交流していました。

5年後の2022年には、私たちの国際政治経済学部は創立40周年を迎えます。これからの国際政治経済学部は、どのように変化していくのでしょうか。




(文責:ジャーナリズム指導室)田中 幸成