SIPECジャーナル

本学にて、フランシス・フクヤマ教授講演

2016.05.20
ジャーナリズム

5月14日、本学の本多記念国際会議場にて世界的に著名な政治学者であるフランシス・フクヤマ氏の講演が開催されました。満員に近い会場には、学生・教員のほかに一般の参加者の方々も多く見られました。

「民主主義の退行とトランプ現象」と題された講演では、米大統領選挙で注目を浴びるトランプ氏の世論からの支持獲得と、その源流となった政治思想を遡り、現状を分析。フクヤマ教授は、Political Order(政治の秩序)とPolitical Decay(政治の劣化)を軸に議論を進められ、歴史や制度におけるアメリカの特殊性を強調されていました。そして、それこそが中間所得層の衰退を招き、既存政治の不満を吸収するアウトサイダーへの支持につながっているとのこと。トランプ氏が大統領に当選することはないだろうとするものの、一連の「トランプ現象」はアメリカの政治を恒久的に変容させてしまうだろうと述べ、講演を結ばれました。

また、講演後には質問票に答える形で質疑応答も行われ、中にはフクヤマ氏へ直接英語で質問する機会を得た本学部生もいました。充実した内容により議論が深められたようです。

(文責:ジャーナリズム指導室)