
SIPECジャーナル
日時:2016年12月10日(土)14:00 ~ 18:00
場所:青山学院大学青山キャンパス517会議室(5号館1階)
趣旨
今年は文化大革命が発生してから50年になる。「文化革命」と名乗ったこの政治運動は十年間続いて、現代中国のあり方を大きく一変させた。プロレタリアート文化の旗幟を掲げた運動によって、二千年以上中国社会を支配していた儒教、道教、仏教が徹底的に否定・破壊され、結果としては社会全体が虚偽と空虚に満ちた精神状態に追い込まれた。その際に主張された「文化」は、伝統文化(儒教を含む)と一体どのような関係を持つものだったのか、彼らは何故伝統文化を敵視したのか、彼らのイデオロギーと具体的な政治意図との間にはどのような関係があったのか、といった問題は、実のところ、これまで明らかにされてきていない。そこで、本研究では、文化大革命中の文化政策に焦点を当て、文化大革命という運動における伝統文化の位置づけを明らかにしたい。前回は、南京在住の中国独立映画製作の監督胡傑氏を招いて、氏が製作した文化大革命中の「宣伝画」に関するドキュメント映画を主として、その製作経緯と意図について語って頂き、それを通して、「プロレタリアート文化」の中身を探究した。今回は北京大学国際関係学院教授印紅標、歴史学科の葉純芳准教授、及び学習院女子大学準教授金野純等、儒教や文化大革命史の研究者を招いて、文化大革命の文化政策について多角的に討議したい。
プログラム
14:00 ~ 14:10 開会挨拶 陳継東(青山学院大学国際政治経済学部教授)
14:10 ~ 15:30金野純(学習院女子大学准教授)「日本における文化大革命研究の現状」
コメンテーター 林載桓(青山学院大学国際政治経済学部准教授)
15:30 ~ 15:50 休憩
15:50 ~ 16:50 葉純芳(北京大学歴史学系准教授)「文化大革命期の朱子批判」
コメンテーター 橋本秀美(青山学院大学国際政治経済学部教授)
16:50 ~ 17:50印紅標(北京大学国際関係学院教授)「紅衛兵「四旧打破」の文化と政治」
コメンテーター 土屋昌明(専修大学経済学部教授)
17:50 ~ 18:00 閉会
18:30 ~ 懇親会
参加申込先:国際研究センターe-mail:rsc@sipec.aoyama.ac.jp