SIPECジャーナル

外交国際公務指導室 講演会

2018.10.21
ジャーナリズム

今回は9月15日に開催された外交・国際公務指導室が主催する講演会に参加した内容をお伝えします。

講師としてお招きした松川潔氏は、青山学院大学院の卒業生でもあり、10年以上にわたって国連ニューヨーク本部政治局(DPA)で勤務されています。

第一部では、「平和と安全という観点から国連の活動を振り返る」とのテーマのもと、紛争の勃発を防ぐDPAのこれまでの活動や、2017年に国連事務総長が交代してから、国連が一つの機構としてどのように変わっていったのかなど、お話ししていただきました。

これまで、国連では各専門機関がそれぞれ独立して活動していたものの、平和構築のためには各機関が連携して取り組んでいく必要があるとの認識が広まっていきました。おもに政治を専門分野とするDPAは、経済を専門分野とする経済社会局(DESA)との連携をはじめ、政治・経済の両分野から平和構築活動に取り組んでいくそうです。

第二部のキャリア相談会では、国連職員になるまでの道のりについて教えていただきました。松川さん自身は外務省が主催するジュニアプロフェッショナルオフィサー(JPO)制度に参加し、2年間国連でのインターンを終えたのち、難関の国連職員採用試験を突破し、2007年に正式に国連職員として勤務を始めました。

講演後に行われた松川氏への質疑応答時間では、松川氏自身が普段どのような業務をされているのか、DPAが組織として抱えている課題は何なのかなど、かなり踏み込んだ質問が多く飛び交っていました。

ニューヨーク本部での活動は、華やかなイメージをもたれる国連職員とは対照的で、事務的な仕事に追われているとか。松川さんはソマリアでの平和構築事業に数年出向いた経験があり、情勢が不安定な現場での活動はニューヨークでの公務よりも何倍もの達成感を感じていたそうです。

得意なことを伸ばすことも大切だけど、好きなことをやり続けていたら、自分の仕事に結びついたという松川氏。

みなさんも好きなことをとことん突き詰めてみてはいかがでしょうか?

(文責:ジャーナリズム指導室)