システムエンジニア
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 米州システム部
白木 見佳さん
海外から飲料の原料を輸入して、主に国内の飲料メーカーに販売するトレーディング業務を入社2年目から担当しています。営業には担当の果汁が割り当てられ、仕入れ交渉から販売営業までの一連の流れを完全に個人商店のように一人で行っています。
例えばオレンジであれば、北米・南米・欧州・南アフリカ・イスラエルなど世界各国で栽培されています。その中で今季はAの国よりBの国の方が豊作で安価なので、B国と契約しましょうという提案や、為替のタイミングを見計らって、いつ契約をするかなどについて飲料メーカーに提案したりします。「中村が担当で良かった」と思っていただくために、さまざまな情報に敏感になって、アイデアを提案できるように仕事をしています。課全体では国内消費の20〜30%のシェアを扱っており、年間で7万トンもの原料を輸入しています。これを9名の営業部員で担当しているので、かなり忙しい毎日を過ごしています。
私たちの暮らしに身近な果汁飲料を通じて、食の"川上"から"川下"までトータルで関わることができるダイナミックな面白さを感じています。"川上"とは、世界各国の農園や果実の研究機関、"川中"は飲料メーカー、"川下"はコンビニエンスストアなどの小売店です。
伊藤忠はファミリーマートを傘下に持っているので消費者ニーズやトレンドをすぐに吸い上げることが可能です。そこから飲料メーカーに「こんな商品をつくりたい」と提案し、世界の農園と結びつけて商品化することなどもできます。若手のうちはそんなことはできないのではと思う人もいるかもしれませんが、伊藤忠は若い社員にも積極的に仕事を任せてくれる社風があり、裁量権も持たせてくれるので、物事を即決できるため足回りも良く、やりがいも非常に大きいです。
もちろんそれに伴う責任もあります。実力主義ですし、OJTも厳しいです。契約先で原料不足が発生し、取引先のメーカーへの供給が途切れそうになり、不安で眠れなかったこともあります。「何が起こるのかわからない」のは仕事の常ですが、特に世界を相手にしているからこそ、リスクを背負うことも多いと覚悟しています。そのリスクにどう対応するかで、手腕が問われると思っています。
仕事に対して「言われたからやる」だけと、「自分はこうしたい」と取り組むのとでは、商社の営業は辛くも面白くもなる非常に極端に振れる仕事なのではないかと思います。
これまでに苦労したことは数知れずありますが、中でも印象深いのは海外への初出張のことです。取引額で3本の指に入るような重要顧客から、タイの工場の監査をしたいのでアテンドをしてほしいと頼まれました。
上司から一人で行くように指示されたのですが、アテンドの仕方などまったく知りませんし、教えてももらえません。自分で工場への行き方から会食のセッティングまで、何をどうすれば良いのか必死に一から調べて行きました。まだ英語もそこまで上達しておらず専門用語が飛び交う中で通訳もしながら、なんとか大きなキズを追わない程度にアテンドを終えて帰ってきた時は、疲労困憊しました。しかも報告書を提出すると、上司からは「お前は何をしてきたんだ」と叱責を受ける始末。でも自分はできることを精一杯やっていたので、後ろめたいこともなく開き直ることができました。
こんな無茶ともいえるOJTのおかげでメンタルは非常に鍛えられましたし、仕事のやり方、向き合い方も体にしっかり叩き込むことができたと思います。どんな仕事も前向きに取り組む、それが非常に大切だと感じています。
メールチェック、重要案件のアイデア出し
国内の顧客への電話営業
商談のため外出
資料作成。社内打ち合わせ
仕事先との飲み会
海外サプライヤーとの電話
A4サイズの方眼ノート
尊敬している先輩が使っていたノートを、マネして使用。方眼紙になっているので、表や図を書きやすいうえ、思いついたアイデアをなぐり書きもしてもサマになる。同じノートを2年間ずっと使い続けています。
どんなタイプの人でも自分に向いた仕事が見つけられる懐の深い職種。自分の意志をもって、物事を進めていく力を身につけることが大切。
2013年国際経済学科卒業、伊藤忠商事株式会社入社。 大学ではアメリカンフットボール部に所属。現在英語の使用頻度はほぼ毎日。海外への出張はアジアが多く、平均すると月1回程度。業務は英語ができれば基本問題はないが、今後中国語かポルトガル語、スペイン語のいずれかの取得も考えている。