システムエンジニア
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 米州システム部
白木 見佳さん
現在は主に国際線のジャカルタ路線を担当しています。多くの航空会社がある中で、ANAを選んでいただいたお客さまに"日本のおもてなし"を提供しながら、旅の一部である旅客機内での時間をより快適に過ごしていただけるよう心がけています。特に重要なのは保安要員としてお客さまの安全を守る仕事ですが、私は幸いなことにこれまで特に大きな危険に遭遇したことはありません。ただ雨の中を飛ぶ場合は航空機が揺れるので、お客さまの荷物が飛び出てお客さまにケガをさせたりしないように、また、時には体が宙に浮いてしまうほどの乱降下をすることがありますので、シートベルトをしっかり着用していただくよう事前にお願をしています。
中堅となって、新人CAのインストラクターとして、実際の機内での訓練を担当することがありますが、時に、お客さまはこちらの想定を超えた行動をとられます。手荷物は前の座席かキャビネットに収納していただくのですが、とても薄いバッグを足の下に敷かれているお客さまがいらっしゃった時は、新人にとってかなり難易度が高い実習となりました。ただ訓練機では行えない、いろいろな所に目を配ることを教えるのに良い実習となりました。
CAの仕事の舞台は、機内です。地上での仕事はそれほど多くありません。担当のジャカルタ路線への乗務は月に2回ほどありますが、それ以外はほかの国際線や国内線にも乗務しています。国内線であれば1日に2〜3便、近場の国際線なら1日に2便、ジャカルタのような中距離なら3日で2便、ニューヨークなどの長距離であれば4日に2便くらいの間隔で航空機に乗っています。成田から出発するジャカルタへの便であれば旅行目的のお客さまが多いので、旅の一部として機内サービスを楽しんでいただけるように、オリジナルのドリンクのご案内や、オーディオ機器の使い方を説明したり、リラックスしたムードを出すことも多くなります。一方で以前担当していたニューヨークやフランクフルト便の場合は、特に羽田出発だったりすると旅慣れたビジネスマンの割合が非常に多く、機内ですぐにお仕事をしようとされる方もいるので、妨げにならないよう早めにジャケットをお預かりするなど、お客さまが「こうして欲しい」と思うことを先回りして考え「スムーズにスマートに」を心がけてサービスを提供するようにしています。
今後の目標としては、まず今年度中に国際線のチーフパーサーの資格を取得するつもりです。ANAにはCAが8000名在籍しており、そのうち400名は現地で採用した海外在住のCAです。さまざまなバックグラウンドを持つクルーと初めて仕事することも多いので、チーフパーサーには、チームをまとめる能力が求められます。みんなで意志を統一して、目指す最大限のパフォーマンスを発揮するためにコミュニケーションをしっかりとっていきます。
長期のキャリアビジョンに関してはまだ何とも言えません。現在ANAでは、CAとして働いてきた経験を活かし、SA(スタッフアドバイザー)として他部署の業務に携わる機会があります。また、社内公募に応募し総合職への職掌転換に挑戦したりする道もありますが、いずれにしても、先輩からもらった「自分がやりたい仕事があるなら、まずは目の前の仕事に集中すること。自分がやるべき仕事に一生懸命取り組んでいれば、必ず見ていてくれる人がいる」という言葉を胸に、今はできる仕事に精一杯取り組もうと思っています。
羽田空港に出社。制服に着替え、PCでフライトの情報を確認するなど準備をする
ブリーフィング(フライト前の打ち合わせ)
フライトの準備。飛行機に移動して機内の安全確認やサービスの準備をする
羽田-ジャカルタ便(NH855)に乗務
ジャカルタに到着。バスでホテルに移動
クルーと食事
現地通貨
海外でステイする際は、現金での支払いしか受け付けないタクシーやお店があるので、各国の現地通貨を持っています。ドンやドル、インドネシアルピア、シンガポールドルなど搭乗路線に合わせて携帯します。
航空会社によって募集条件は異なるが、視力や身長などの身体条件やTOEICのスコアといった英語力などの条件を満たす必要がある。また日本の大手航空会社を希望する場合、新卒採用は春入社だけでなく秋入社がある場合もあるのでチェックするとよい。
2012年国際経済学科卒業、同年秋に全日本空輸に入社。大学3〜4年次に米国シアトルのワシントン大学に留学したことをきっかけに日本の良さに気づき、日本のサービスやおもてなし文化を世界に伝える仕事に就くことを決意。入社後はまず国内線に乗務。2013年度末から国際線乗務になり、2015年度から2年間ニューヨークとフランクフルト路線担当。現在はジャカルタ路線担当。