システムエンジニア
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 米州システム部
白木 見佳さん
2017年10月から、パイオニアのパナマ現地法人(以下パイオニアラテンアメリカ)にトレイニーとして在籍しています。パイオニアに入社後、トレイニー制度があることを知り、私が「ここで働きたい」と願っていた中南米エリアにあるパナマでの募集があり、応募して合格できたことは非常に運が良かったと感じています。
パナマの母国語はスペイン語です。着任後1ヶ月間は午前中に語学学校に通い、午後から実務研修を行っていましたが、現在は実務研修をメインにしながら、スペイン語の試験に向けて、週に2回、業務後に先生について勉強しています。
現地に来て、母国語の大切さを改めて感じています。パイオニアラテンアメリカには、日本人スタッフとナショナルスタッフ(現地雇用スタッフ)がいますが、彼らにとっても私たち日本人スタッフにとっても英語は第2外国語なので、英語での会話はどうしても細かなニュアンスが伝わりません。ところがスペイン語で話せば、打ち解けてもらいやすくなることもあり、とても多くの情報が入って来ます。現在はスペイン語の習得のためにも、日本人スタッフと話すとき以外はすべてスペイン語で話すよう心がけています。
パイオニアはカーナビ・カーオーディオ・カースピーカー、さらにはパソコン用のドライブなどいろいろな製品をつくっていますが、パイオニアラテンアメリカはラテンアメリカ(メキシコとブラジルを除く)を商圏に、カーオーディオ・カースピーカーをメインに販売しています。ラテンアメリカとひとくくりにしていますが、実際には約30もの国が集まっているので、各国の文化や政治・経済状況もさまざまです。いろいろな国を相手にどうしたら自社製品が売れるのか、先々の見通しを立てるのが非常に難しくもあります。
例えばコロンビアは、カーオーディオの音量を全開にしてどこまで爆音を出すことができるかという選手権が開かれるほど、カーオーディオに熱い国です。それも最近では騒音規制のために法改正がなされたので、これまでほどではなくなっているのが少し残念でもあります。一方、アルゼンチンは欧州車の普及率が高いため純正のカーオーディオをそのままつけておく人が多いです。私たちは後付けする"アフター"と呼ばれる市場でビジネスをしているので、こうした傾向のある国では有効な販売手段を考えなければなりません。ただ国が変われば、車を取り巻く環境はもちろん、趣味趣向も変わることを実感できるラテンアメリカの面白さも感じています。
日本で働いていた時は海外営業部に所属して、海外営業拠点から送付される販売計画を、タイにある生産工場に伝え、最適な生産計画を策定するような業務を行っていました。パイオニアラテンアメリカでは実務研修として、販売計画を立てる担当者の補佐をしています。担当者は、お客さまと直接接点のあるセールススタッフとコミュニケーションをとりながら、毎月の販売目標を立て、それを達成するための戦略を練るのですが、東京本社からの販売目標もあるのでその調整にも苦労します。日本で仕事をしていた時とは逆の立場から数字を見ることになり、どのようにして販売計画が立てられているのかを知ることができてとても勉強になります。
ナショナルスタッフは真面目できちんと仕事をしますが、日本と比較すると普段の残業率は低めで、明確な締め切りがない限り、定時内に終えられなかった仕事は明日に回そうという文化があります。終業時間になれば帰って家族との食事を楽しんだり、ドレスアップしてパーティーに出かけたりします。こうしたラテンアメリカの文化や国民性を理解した上で、仕事を行うことは非常に重要です。ファイルのフォーマット変更一つをとっても、全員に正しく意図を伝え、期限までに目的を達成できるようにコントロールしていくのは大変ですが、覚えたスペイン語を駆使して意思の疎通を図り、私にできることを進めていきたいと思っています。
メールチェックと返信
ランチ
通勤中に英語の勉強、その日やることの確認、イベントや勉強会情報の確認、申し込み
コロン市にある営業倉庫訪問
当月の販売進捗管理や販売施策の実行
スペイン語の授業
日本との会議に参加
ウィークナンバー入りカレンダー
第1週からおおよそ52週まで、週を通しでカウントする番号がふられたカレンダー。シッピングの確認などでは週番号でやり取りするので、これなしでは仕事にならないほど。
田中さんの場合、ラテンアメリカでのビジネスに関わりたいとの強い思いから、在学中にアルゼンチンに留学。基礎的なスペイン語力を身につけて就職活動に望んだ。入社後もラテンアメリカに駐在したいという思いを周囲にアピール。意思を発信し、思いの強さを証明する語学力や知識を高め続けたことがトレイニーにつながった。
2015年国際政治学科卒業、同年パイオニアに入社。ラテンアメリカに関係する仕事に就きたかったため、大学4年次に休学して、半年間アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある語学学校に留学。幼い頃に両親の仕事の都合でメキシコに住んだ経験がある。2018年10月に1年間のトレイニーを終え、帰国予定。