
システムエンジニア
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 米州システム部
白木 見佳さん
企業を取り巻く環境は時代の潮流にのって常に変化をしています。業績が良い企業でも、時代の流れを読み誤ればあっという間に取り残されてしまいます。お客さまである企業や組織が常により成長し続けるために、お客さまが抱える課題を明確にし、それに対する解決策を練り、提案する。そして、採用されたらプロジェクトの実行を支援し、成果を出すことが経営コンサルタントの主な仕事です。
例えば私の経験で言うと、最近だとIoTやインダストリー4.0など、新しいテクノロジーを活かしてビジネス価値を創造する仕事を行ってきました。その際に大切なのは、テクノロジーやシステムを導入するだけではなく、組織体制や社員に対する教育なども含めて総合的なソリューションを提案するということです。テクノロジーやシステムも、それを使う人が適切に扱えなければうまく機能しません。私は主に自動車や産業機械などの製造業のお客さまを担当していますが、例えば自動車工場の自動化を考えた時には、「人」が機械を動かすのだということを忘れずに、社内の文化的教育も含めたアプローチをとりました。現在はこうしたコンサルティング業務の管理を、アジア・パシフィック地域全域にわたって行っています。
アジア・パシフィック地域を統括しているため、毎日英語を使います。コンサルタントに限らず、仕事の担当領域がグローバルに広がっている場合は、共通言語は英語となることが多いでしょう。私の場合、世界各地にいる担当者が一堂に会する電話会議に参加することが多くあります。この手の電話会議は日本時間深夜から始まることも多く通常の勤務時間外に仕事をしないといけないこともありますが、体を休ませる時間を上手に確保すべく仕事の仕方を工夫することも、ある意味、仕事のひとつと言えると思います。
仕事の仕方でもうひとつ話をすると、優秀なコンサルタントは必ず、自分で仕事を生み出します。常に情報収集を怠らず、お客様の抱える本質的な課題を見出だしたなら、そこが新規案件のとば口です。解決策を提案し「それ良いね、やろう」と判断されれば、ひとつのプロジェクトが始まります。私たちがお客さまに期待されているのは、お客さま自身も認識していない課題を見出し、従来の枠を超えた提案をすること。そうでないとお客さまが求める価値を生み出すような仕事をすることはできないと、私は考えています。
近年、世界各地に拠点を置くお客さまがかなり多く、一社のお客さまを担当する中でもひとつの価値観だけで物事を判断することはできません。仕事では常に文化的な違いを意識させられますが、数字が意味するところは世界共通です。将来のことは、微分で予測することができますし、過去のことは積分であらかた説明することができます。
プレゼンをわかりやすく、さらにクライアントに納得してもらえるようにするためには、数学を盛り込むと説得力のある内容にすることができますし、お互いの意見を早く理解することにつながると思います。
グローバルを相手に仕事をするのに英語はもちろん必須ですが、数学も一助となるツールだと感じています。
クライアントと企業定例会議
社内ランチョンミーティング
アジア・パシフィック電話会議
欧州電話会議
クライアントとのミーティングおよび会食
三極(アジア・欧州・米州)電話会議
BOSEのヘッドセットとiPad
海外の人と打ち合わせや会議をする際に使用するBOSEのヘッドセットは、ノイズが非常に少ないため会話に集中できるので手放せません。iPadはプレゼンをする際など資料を表示するのに使用しています。
経営に興味を持ち、自分の得意分野を意識して情報収集したり、勉強の仕方を工夫して専門性を高めること。現状に満足することなく問題意識を常に持つこと。
1992年国際経済学科卒業、1993年アクセンチュア入社。10年以上、製造・流通業界のコンサルティング業務に従事し、お客さまのビジネス変革を支援。アジアを統括する立場上、海外出張も多く、2016年は約70日、計18回業務で渡航。現在は中国語(北京語)を勉強中。今後の目標は、日本企業の新興国へのさらなる進出支援やマネジメントに関わる人材の育成を図ること。