米山 渓
WORK WITH MULTINATIONAL COLLEAGUES | 海外の仲間と働く
ゲーム会社商品企画
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
グローバル商品企画部
米山 渓さん
ゲーム会社の商品企画って?
ゲームだけでなく、ゲーム機や周辺機器、ゲーム機の中にあるメッセージやボイスチャットなどの機能について「こんな機能があったら便利だろう」「楽しいだろう」というアイデアから企画を立てる。
市場動向を探りながら、開発部門やデザイナーと協力して、商品がリリースされるまでを管理する。

世界規格でひとつのゲーム機器をつくる

 私が担当しているPlayStation®4(PS4)やPlayStation®Vita(PS Vita)は、ゲームだけでなく、他のユーザーと友達になれたり、チャットで会話できたりといったゲームを更に盛り上げる様々な機能から、より多くのユーザーが安心してお楽しみいただけるような大切な機能までたくさん搭載されています。各種機能にそれぞれ企画担当者がいます。
 例えばこれまで私が関わった仕事に、PS Vitaの「ペアレンタルコントロール」というアプリケーションがあります。コンセプトづくりからリリースまで担当した、私のヒット作のひとつです。子どもがPS Vitaを使用する際に、保護者があらかじめ使える機能を制限できるもので、ブラウザーや買い物機能を使うかどうかや、ゲームの年齢制限も設定することができます。
 しかしこれをつくるのはなかなか大変でした。ゲームの年齢制限の枠や表現規制は、世界で統一されているわけではなく、各々の国や地域で独自に規定されています。ヨーロッパでは大丈夫なものが、米国やカナダではダメだったりするので、各国の規制やガイドラインを全て調査し、対応する機能をつくっていきました。

世界に散らばる担当者と協働する

 PS Vitaの「ペアレンタルコントロール」が完成した時は本当に感無量でした。これからも、この機能以上にもっと多くのユーザーに使われる機能を生み出していきたいと思っています。
 そのためには、世界各国で発売されているPlayStationの特性上、何か新しい機能や企画を考える際は日本だけではなく各地域の担当者との連携が必要です。特に開発の中心地のひとつであるアメリカとのやり取りは欠かせません。仕様を統一したり、互いのプランを共有しあったり、またアメリカの開発チームへのオーダーを出したり、逆にオーダーを受けたりと、綿密なやり取りが要求されます。さらに、開発チームはサンフランシスコやサンディエゴに加えロンドンなどにも拠点を置いているので、出張にもよく行きます。製品のリリース前には各国の法律に準拠しているかどうかを確認したり、国や地域特有の嗜好は何か、調査を行ったりするため、各地域の担当者との協働はとても重要になります。

諦めなければ、希望の道は拓ける

 実は私が入社当初に所属していたのは、生産管理部というゲームの企画や開発とは関係のない部署でした。アメリカ、ヨーロッパ、日本・アジアの3箇所に販売会社が分かれているのですが、各エリアでの商品の供給プランを考えるのが主な仕事。やりがいのある仕事でしたが、以前よりどうしてもプロダクトやサービスをつくり出す仕事がしたかったので、上司に願い出て、現在の部署へ異動しました。
 もちろん覚悟はしていたのですが、商品企画はこれまでとはまったく違う分野。理系出身の人が多く、開発でコードを書く人とのやり取りなど専門用語が飛び交う場面ではなかなか理解が追いつかず、当初は議論に参加することもできませんでした。そこで新しい言語をマスターするつもりになって、自分なりに用語集をまとめるなど、ノウハウを蓄積させていきました。今振り返れば、修行のような日々でしたが、それでもプロダクト開発に近い仕事をしたいとずっと思っていたので、大変でしたけれど夢中になることができました。
 自分の願い通りの仕事に就けなかったとしても、「やりたい」と声を挙げ続けたり、その仕事に対して何らかのチャレンジをしたりと努力をしていれば、それに気づいてくれる人がきっといるはず。私の経験から言っても「諦めなければ道は拓ける」のだと思います。

米山 渓さん

ある1日のスケジュール

  • 09:00〜10:00

    アメリカのチームとのTV会議

  • 10:00〜12:00

    海外からのメールの返信など

  • 12:00〜13:00

    同期とランチ

  • 13:00〜15:00

    開発チーム、商品企画メンバーで商品仕様、開発進捗の確認会

  • 15:00〜18:00

    資料作り。たまにゲームもする

  • 18:00〜19:00

    ヨーロッパのチームとの電話会議

マストアイテム

PS4のコントローラー (DUALSHOCK®4)
© Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved.
Design and specifications are subject to change without notice.

PS4のワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK®4)
私の部署は、いつゲームをしていてもとがめられることはありません! ゲームをしながら商品のアイデアを練っています。またあまり面識のない海外部署の人ともゲームをすれば、あっという間に意気投合して仲良くなれます。

この仕事に就くには...?

変化の早いゲーム業界なので最新情報を取り入れながら、新たな発想や企画力が求められる。色々な情報に触れ、今までにないアイデアを生み出すスキルを身につけておくことが大切。

米山 渓さん

米山 渓さん
Kei Yoneyama

ソニー・インタラクティブエンタテインメント
グローバル商品企画部
※2016年12月取材時

2007年国際経済学科卒業、同年同社入社。入社時は生産管理部に所属。その後上司に異動を願い出て、現部署に。国際経験は、幼稚園の頃に1年間イギリスに住んだことがあるのみで長期滞在経験などはなし。現在はメールや資料作成、電話、会議などで英語を使う日々を送る。また生産工場のひとつが中国にあるため、前部署時代は中国語にも触れていた。

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