
システムエンジニア
三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 米州システム部
白木 見佳さん
世界でも名の知れた日本のブランドの本社スタッフとして、担当するブランドの海外展開に関わる業務をすべて行なっています。一番重要で基本となる仕事は、海外での商品販売に関わる営業で、年に2回ある新作の展示会のため、パリとニューヨークに出向いて商談をします。そのために最新コレクションのサンプルを会場まで運び、各国のバイヤーを招待し、自分で商品を身につけて接客まで行います。新作のセールスポイントはもちろんですが、新しい点だけではなくブランドとして守るべきコアな部分も相手に理解してもらい、さらに「買いたい」と思ってもらわなければいけません。あらゆるワードを駆使して、さらには身振り手振りも加えながら商品に込められた思いを説明し、オーダーを取り付けます。
2016年の春には、タイでの大型新規店舗オープンのプロジェクトリーダーを任され、店舗デザイナーとのやりとりから施工、スタッフ研修、店頭陳列の仕方からアフターフォローまでのすべての業務を担当しました。フランチャイズ契約だったので、現地の店舗オーナー・フランチャイズ先・日本本社の意向のすり合わせは非常に大変でしたが、無意味な対立を避けるために「お客さまにとって良いと感じられる店にすることが、私たちみんなにとってもハッピーなこと」という言葉を何度も口にして共通認識化し、方向性をまとめるように努力しました。またこちらの熱意を現地スタッフに伝えて「これは自分たちの商品なのだ」という意識を醸成することで一体感も生まれました。スタッフ一人ひとりが日本のものづくりを熱心に理解しようとする姿を見たときには、非常に感動しました。
仕事に英語はもちろん必須です。毎日メールもしくは電話で英語を使っています。海外にいるスタッフとは基本は英語で話をして、メールの約8〜9割は英語でのやりとりになります。平均して1ヵ月に1回は海外出張にも行きます。入社当初はファッション用語をインプットするために、メール相手が使っている知らない単語や表現をノートにまとめて覚えるようにしていました。
ただこの仕事に就いて一番必要だと感じるのは「コミュニケーション能力」です。それにはもちろん英語力がベースにはなりますが、英語は働くうちに身につけることができます。それよりも、世界のさまざまな国の人を相手に働く際には、スタッフに納得してもらったり、スタッフ同士がひとつになれるような説得力、相手が言葉にしなかったことも含めて、その人が言わんとしていることを慮る理解力、突発的な事態が起きたときの正確な判断力を含めた「コミュニケーション能力」を持つことが、強みになるのではないかと思います。それさえあれば、どんな業界で働き、世界のどの国が相手であろうとも活躍できるのではないでしょうか。
始業の30分前に出社。海外からのメールをチェック。その日にすること、スケジュールを海外チーム内で確認
次の展示会で発表する商品を生産、商品計画(マーチャンダイザー)、営業、企画担当など、各スタッフと確認し、さらに値段を設定する
出張報告を関係者と共有。作業の引き継ぎや課題に対するアクションプランを立てる
出張の打ち合わせ。取引先とのミーティングトピックの整理など
新規店舗のデザイン打ち合わせ。
デザイン提案を受けて、海外の施工担当者へプランを送り説明
ブランド連絡会ミーティング。すべての部署とのスケジュール確認、売上進捗確認、重要トピックの共有
メールおよび商品輸出手続き作業。本日の決定事項や情報を各国にメールで連絡
ファッション用語のビジュアル本
ロンドンに出張に行った時に見つけた、ファッション用語集です。ここに書かれている用語は頭に入っているのですが、とても素敵な雰囲気の本なので、そばに置いて気分転換したい時などに眺めてやる気を出しています。
ファッションや業界の専門知識があることはマストではない。世界中のどの国の人ともやりとりができる、自分の強み(コミュニケーション能力)があることが大事。
2009年国際経済学科卒業、大手印刷会社入社。本社の国際部に所属して、各子会社の業務管理や、商業印刷部門に所属時にはアメリカの得意先を担当するなど営業職として忙しく働く。その後部署異動をきっかけに転職を考えはじめ、海外を舞台に仕事ができることや、ファッションや美容に興味があったこと、同じような年齢の女性が多い職場であることなどが決め手となり、2014年にISSEY MIYAKEに入社。